十二星騎士団物語:序章


東蛮の異教徒を殲滅すべく、スタト教を仰ぐ各諸国の騎士が集められ結成された十二星騎士団
戦巫女であるルーシェは、まだ幼い身ながら騎士団のシンボルとして、スタト教教皇より派遣軍の統帥として任じられていた。
長い征旅の末、十二星騎士団は最後のスタト教国であるガラン神聖王国に辿りついた。
しかし敵対する異教徒国家ズィナハ朝の領土を目の前にしながら十二星騎士団の士気は低く、脱走者が相次いでいたため、まともに戦える兵力がルーシェの元には残っていなかった。

「騎士団には兵が必要です。ガランからも兵を早く参加させなさい」
テーブルを挟んで席に着くガラン神聖王国の国王に対し、ルーシェは増兵の要請を高圧的に言い放った。
自らの父よりもなお年長のドレンに、兵を要請するというデリケートな要求を遠慮なく突きつけれるのは、自らがスタト教皇の代理である事を自認しているからでもあるが、それ以上に戦争というものを全く理解していない幼さからくるものであった。
「ふむ、兵と簡単に言われますが、何名ほどですかな?」
ルーシェの幼さとは反対に、長者の風格を漂わせるドレンにしてみれば、このような小娘の戯言などは簡単にあしらってしまえるのだが、一応教皇の代理人として応対をしてやる必要がある。
「そ、それはあなたが考えるべきです!」
「ぐふふっ、ルーシェ殿、そうは言っても兵数には限りがあります。それに兵と言っても騎兵、歩兵、弓兵とありますが、いったいどの兵種がお必要か、教えていただかなくては考える事すらできません」
生まれながらに教会で聖女として特別扱いを受けて育ったルーシェには、そのような事はわかるはずもない。
「と、とにかく我が軍は異教徒を殲滅せねばならぬのです。それに足る兵の準備を早くはじめなさい!」
強硬な口調は変わらないが、もはや少女が我がままを叫んでいるだけでしかなかった。ドレンは薄笑いすら浮かべて、ルーシェの睨みを受け止める。
(ぐふふっ、戦などで死ぬよりも、我が後宮に入れてやるのがこの娘も幸せじゃろうて)
淫靡な思いを抱きながら、ドレンはゆっくりとルーシェの篭絡に取り掛かった。
「まぁ、そう声を荒げるのはお止めください。確かにルーシェ様の崇高なお志にも一理ございます。ご協力できるかどうかは考えないといけないですな」
「それでは早く準備にとりかかりなさい!」
「急かさないでください。まだご協力できるかどうかもわからない状態です」
「なぜです?ガランの兵に召集をかけるだけではありませんか」
「兵の招集とはそんなに簡単なものではありません。何せ兵が移動するだけでも金品が必要となります。ましてや勝つ戦をするするのであればなおの事」
「そ、それがどうしたというのです!?」
「......」
「な、なんとか言いなさい!」
「ふふっ、いえ、その金品を十二星騎士団に全て出していただけるのでしょうか?」
「そ、それは、ガランで準備すればよいでしょう!」
「そうはいきませぬ、戦争には金が必要です。その道理を曲げての出兵などできるはずがありません」
「聖戦を前にして、あなたはそれでもスタト教の教徒なのですか!」
「ふふっ、それこそお心得違いというもの。聖典十六章二節において、スタト様は対価を払わず何かを得ようととする行為を硬く禁じられておりますぞ」
「そ、それは......」
ルーシェはそれ以上の反論ができなかった。まさかこの最果てのスタト教国で、戦聖女である自分が逆に説法されるとは思ってもいなかったのだ。
「ふふっ、そう固くならなくても結構ですぞ、ルーシェ様」
「......」
「なに、私は兵を出さないなど一言も言っておりません。きちんと対価を支払っていただければ、喜んで出兵いたしましょう」
「し、しかし、わが軍にはもう資金がありませんよ」
「ふふっ、何も金銭を強要しているのではありません。ルーシェ様に少し我慢してもらうだけで良い方法もあるのです」
「ほ、本当ですか?」
「ええ、ルーシェ様が私と男女の契りを結んでいただけるのであれば、我が国としては喜んで兵を出させていただきます」
「な、何を馬鹿なことを!」
「ぐふふっ、承知いただけないのであれば、しかたありません。兵を出すことも難しいですなぁ」
「くっ......」
ルーシェは唇をかみ締めながら、ドレンを睨みつけた。
まったく怯む様子を見せないこの初老の男の言う事受け入れるしかない事を、ルーシェは戦聖女の使命感から、自らを納得させるしかなかった。

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